環境

環境

商船三井グループ環境憲章
理念

商船三井グループは、世界経済のインフラを支える総合輸送グループとして、人類全体の問題である海洋・地球環境の保全のために、企業活動全般において環境保全に配慮して行動します。

方針
  • 私たちは、船舶の安全運航を徹底することを始めとして、あらゆる面で海洋・地球環境の保全に取り組みます。
  • 私たちは、環境に関連する法規等の遵守はもとより、さらに自主目標を設定して一層の環境負荷軽減を推進します。
  • 私たちは、環境目的及び環境目標を設定するとともに、これらを定期的に見直す枠組みを構築して、海洋・地球環境保全の継続的な改善に努めます。
  • 私たちは、省エネルギー、省資源、リサイクル、廃棄物の削減に積極的に取り組みます。
  • 私たちは、環境に配慮した製品・資材及び船舶の調達を推進します。
  • 私たちは、環境改善技術の開発・導入を推進します。
  • 私たちは、環境教育・広報活動を通じて、商船三井グループ社員の環境保全に対する意識の向上を図るとともに、本環境憲章の浸透を図ります。
  • 私たちは、本環境憲章を一般に公表するとともに、環境関連情報を積極的に開示します。
  • 私たちは、企業活動を通じて社会貢献に努めるとともに、環境保全活動への参加・支援に努力します。

 

様々な環境規制

船舶は世界中の海上を移動するため、一国だけで対処することができない問題が多く、国際的な取り組みが不可欠です。国連気候変動枠組条約では、国際海運における温室効果ガス(GHG)排出抑制策は国際海事機関(IMO)において検討することとされています。現在IMOでは、各種国際条約や規則の採択、発効および検討がなされています。

  2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2025
EEDI Phase 0 Phase 1 Phase 2 Phase 3
SEEMP 義務化
DCS   義務化

国際海運からの温室効果ガス排出削減対策として、2013年にエネルギー効率関連条約(EEDIおよびSEEMP)が発効しました。

EEDI

Energy Efficiency Design Index(エネルギー効率設計指標)。新造船設計時に理論上のCO2排出量が規制値に適合することを要求される。各Phaseの削減率目標は、Phase 0=0%、Phase 1=10%、Phase 2=20%。

SEEMP

Ship Energy Efficiency Management Plan(船舶エネルギー効率管理計書)。個船ごとにエネルギー効率を改善する運航手法を選択し、その実施計画について文書化して船上に備えることを義務化したもの。対象は新造船と既存船。

また、さらなる排出量削減に向けて、IMOにおいてDCSの導入が予定されています。

DCS

Data Collection System(燃料消費実績報告制度)。船舶のCO2排出量をIMOに報告する制度。これにより収集したデータを分析し、Market Based Measures(経済的手法)の導入を含め、GHGの排出削減に向けた戦略を策定する。

  2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
SOx(硫黄酸化物) 一般海域 硫黄分3.5% 硫黄分0.5%
ECA 硫黄分1.0% 硫黄分0.1%
NOx (窒素酸化物) 一般海域 2次規制
ECA 2次規制 3次規制
SOx 排出規制

排ガス中のSOx量を抑制するため、燃料油に含まれる硫黄分含有率を規制するもの。排出規制海域(ECA:Emission Control Area(*))では、2015年より硫黄分含有率が0.1%まで引き下げられた。IMOは、2016年10月、一般海域でも燃料油の硫黄分含有率を0.5%以下とする規制の2020年開始を決定した。

NOx 排出規制

エンジン排ガス中のNOx量を段階的に規制するもの。1次規制では2000~2010年起工船に対し、エンジン定格回転数に応じた排出量の規制値を規定。2次規制では2011年以降起工船に対し、1次規制から15.5~21.8%削減することが求められる。排出規制海域(ECA(*))では2016年以降起工船が対象となる3次規制があり、1次規制から80%削減することが求められる。

(*) 現在ECAに指定されている3海域
(1)米・加沿岸200海里海域(NOx/SOx) (2)米国カリブ海海域(NOx/SOx)(3) バルト海および北海海域(現在SOxのみ。2021年以降の起工船はNOxも対象となる。)

  2015 2016 2017 2018 2019 2020
バラスト水管理条約 一般海域 2004年採択:未発効 義務化
USCG規制 2012年施行 義務化
シップリサイクル条約 2009年採択:未発効、発効時期未定
船体付着物に関する条約 2011年ガイドライン採択
バラスト水管理条約

船舶のバラスト水を介して生物や一部病原菌が越境移動することを防止する条約。2004年に採択され、2017年9月発効。条約発効後、定められた期限(最長7年以内)までにバラスト水処理装置の搭載が義務付けられる。

USCGバラスト水規制

2012年に施行されたUSCG(United States Coast Guard:米国沿岸警備隊)によるバラスト水規制。バラスト水管理条約とほぼ同等の内容となっているが、バラスト水処理装置に関してUSCGによる独自の型式承認が要求される。2016年より、米国に寄港する全ての船舶は、原則として最初の入渠時にバラスト水処理装置搭載を義務付けられた。

シップリサイクル条約

船舶のリサイクルにおける労働災害や、環境汚染を最小限にするための条約。2009年に採択済みで、発効要件を満たした24ヵ月後に発効する。船舶リサイクル施設、リサイクル時の手続きなどについて規定したもので、船舶に存在する有害物質等のインベントリリスト(一覧表)の作成・備置・更新が義務付けられる。

船体付着物に関する条約

船底に海洋生物が付着し、越境移動することが問題視されており、これを防ぐためのガイドラインがIMOにて議論されている。2011年に「生物付着管理ガイドライン」が採択され、5年間のレビュー期間を経て、今後条約化される可能性がある。